脂質の体内での役割・働き

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脂質も重要な栄養素の1つですが、脂質と聞くと肥満の原因などと想像する方も多いと思いますが、人間にとって生きていくには必要なエネルギー源の1つです。

脂肪とは

脂肪は、タンパク質、炭水化物と共に三大栄養素の一つで、1gにつき約9kcalのエネルギーを放出するパワフルな物質で、エネルギー源として重要な働きをしています。人間の体内に存在する脂肪には、中性脂肪、コレステロール、リン脂質、脂肪酸の4種類があり、動物性のものもあれば植物性のものもあります。体内に存在する脂肪の9割近くがこの中性脂肪です。食事を通じて体の中に入った脂質は、さまざまに形を変え、血液やリンパの流れに乗って体内をめぐっています。中性脂肪は、糖やアルコールが体内で代謝されてできたグリセロールに、3個の脂肪酸が結合したもの。皮下や内臓周辺(皮下脂肪や内臓脂肪などと呼ばれます。)に貯蔵され、必要に応じて脂肪酸に分解され、エネルギーになります。コレステロールとリン脂質は、あらゆる細胞の膜を形つくる成分になります。コレステロールの一部は脂肪酸と結合して細胞の中に貯蔵され、ステロイドホルモンやビタミンDの原料になります。脳にあるコレステロールのように、神経細胞の長い軸索を覆う膜状成分として使われているものもあります。脂肪酸は他の脂質と結合したり、他の脂質を合成するときの材料にもなり、トリグリセリド、コレステロール(エステル型)にも脂肪酸が組み込まれています。脂肪酸は大きく飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類され、体内で合成できないため食物から摂取しなければならない脂肪酸を必須脂肪酸と呼んでいます。脂肪酸の中にはプロスタグランジンなどのホルモン作用物質の原料になるものもあります。

  • 体脂肪

体脂肪は体内にあるすべての脂肪のことです。

  • 中性脂肪

中性脂肪は脂肪細胞の中に蓄えられているエネルギー源で、”トリグリセリド”ともいいます。中性脂肪はアルカリ性でも酸性でもなく、中間の性質をもっているために”中性脂肪”と呼ばれています。肝臓で中性脂肪が増えすぎた状態を”脂肪肝”といいます。

  • 皮下脂肪

皮下脂肪は名前の通り皮膚のすぐ下についている脂肪で、指でつまんだ時につかめるのが皮下脂肪といえます。女性は妊娠・出産に備えるためにこの皮下脂肪がつきやすく、女性の美しいボディラインを形作っているのもこの皮下脂肪です。

  • 内臓脂肪

”内臓脂肪”と聞くと心臓や肝臓など臓器の中にたまった脂肪をイメージですが、実は違います。内臓脂肪は一般的に腸を覆っている”腸間膜”という薄い膜の周りについています。腸間膜には本来、脂肪などついていませんが、食べ過ぎて中性脂肪が使いきれない場合は、小腸から近いこの腸間膜に内臓脂肪として蓄えられます。内臓脂肪はエネルギーが余った際にたまりやすいのですが、逆にエネルギーが不足した場合に使われやすいという特徴もあります。

脂質の役割・働き

脂肪は身体に豊富に蓄積されている非常に効率のよいエネルギー源です。運動時には糖質から得るエネルギーには制約がありますが、脂肪は常にエネルギー源として利用され続けます。強度の低い運動を長時間行う場合、脂肪がエネルギー生産の基礎物質となり、強度の高い運動の場合は、主として糖質の利用が大きくなり、乳酸も蓄積されやすく。乳酸は脂肪の燃焼を阻害する物質のため、余分な脂肪を燃焼させて減量したい場合は、強度の低い有酸素運動をおすすめします。

脂質の中でも多価不飽和脂肪酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)は体内で合成されないため食品から摂取しなければなりません。エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)は脳や神経、目の網膜の働きに重要な脂質で、特に魚類の油に多く含まれています。

他にも、身体に多く含まれている水分のバランスを保つためにも脂質が必要で。皮膚表面の皮脂は水分の蒸発を防ぎ、肌を傷やばい菌から守る働きをしています。細胞や骨の組織でも、脂質がバランス良く作用することで機能を保っています。またビタミンAやEなどは脂溶性ビタミンと呼ばれ、脂質と結びつくことで吸収力が上がり、体内で効率良く働き、消化や吸収、排泄をスムーズに行うためにも脂質が働きます。脂質はエネルギーとなる他に、身体全体の働きをスムーズにさせる効果もあり、なめらかな肌や、柔らかな身体は脂質が適度に含まれてこそ美しく。脂質を摂る上で重要なのが”質”です。上質な脂質を摂るのも重要なことです。

まとめ

脂質はダイエットの敵と思わず、脂質の働きを覚えて、良質な資質を摂取して健康な身体を作りましょう。

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